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悲しみがあなたを深くえぐればえぐるほど カリール・ジブランの詩を読んで

カリール・ジブラン「喜びと悲しみについて」

そこで、ひとりの女が言った。お話ください。喜びと悲しみについて。
アルムスタファ(預言者)は答えて言った。

あなたの喜びは、悲しみの素顔。
笑いのこみあげてくる井戸は、しばしば涙で溢れています。そういうことなのです。

悲しみがあなたの存在をえぐれば、えぐられたところにそれだけ喜びをたくわえることが出来ます。

あなたが葡萄酒を受ける杯は、まさに陶工のかまどで焼かれたあの杯ではありませんか。
あなたの心を慰める楽器、リュートは、もとは小刀でくり抜かれたあの木ではありませんか。

嬉しいときには、自分の心の奥をのぞき込んでごらんなさい。すると見つけるにちがいありません。かつては悲しみの原因になっていたものが、今は喜びの原因となっていることを。

悲しくて仕方のないときも、心の奥をのぞき込んでごらんなさい。すると、気づくにちがいありません。かつては喜びであったことのために、今は泣いているのだ、と。

あなたがたの誰かが言います。「喜びは悲しみに勝る」と。すると或るひとが言います。「いや、悲しみの方こそ」と。

しかし私は言います。喜びも悲しみも分けることは出来ません。

両方とも連れそって来て、一方があなたと食卓についているとき、忘れてはなりません。もう一方はあなたの床に眠って待っているのです。

まことにあなたは秤のようです。悲しみと喜びのあいだに懸かっていて、空のときにだけ静止し、平衡をたもちます。

宝の持ち主が、自分の金と銀を量ろうとあなたを持ち上げるとき、あなたの喜びと悲しみも上がり下がりせざるを得ないのです。

カリール・ジブラン『預言者』(佐久間彪訳、至光社、1984年)

この詩について思うこと

人間は誰しも悩んだり、悲しんだりします。

ただ、どれぐらいの時間で気持ちを切り替えて前に進めるのかは、その人の心構えやその人にとっての問題の大きさによるでしょう。

 また、「禍福は糾える縄の如し」という言葉もありますが、いつ福が現れるかは誰にも分からないし、禍がいつ訪れるかと心配するのもまた人情です。

 すべてを受け入れて生きていけるようには、どれほどの経験が必要なのだろうか。

 ただ、先の事が分からないのは誰しも同じであるから、可能であるならばこの詩に書いてあるような心持ちで割り切って生きていくのが一番建設的だと私は思います。

 運と不運の総量は釣り合いが取れているというのは、今いちパッとしない人生を送ってきた私にはありがたい話です。

都合のいい部分にフォーカスしていきたいと思います。

木鶏会なる会があってな…

どうも、ブルーです。
私の会社には変わった取り組みがあります。

それは、致知出版社という会社が出版している「致知」という雑誌の読書感想文を発表し合う木鶏会という会です。

冒頭の詩は致知1月号の特集に、解説記事とともに掲載されていたものです。

「え?自己啓発ですか?」とか「サービス業特有の精神論ktkr」とか「洗脳教育乙」とか、色々ご意見はあるかと思いますが、意外とまともな会です。

社長がこれをアルバイト含めた全員にやらせるって言い出した時は頭がクラクラしましたが、真面目に読むとなかなか為になります。
(ちなみに、致知は1冊千円します。うちはバイトを3桁雇ってるから…。)

私の会社の社長は精神面の修行(宗教ではない)や、変わった健康法に凝るところがあります。

まあ、要するに典型的な代々続いているお金持ちなんです。はい。

木鶏会についても社長がハマり、それを事業所ごとに月一でやるように指示されています。


致知出版社公式サイトより。余裕のある偉い人達が好きそうな要素がてんこ盛りです。

人間学を探究して四十年|致知出版社


意外とやってみれば

最初に木鶏会について聞かされた時は「この会社大丈夫か?」と本気で心配しましたが、慣れれば案外いいものです。

身分の高そうなおじ様の中身が空っぽだったという話はよくありますが、食わず嫌いせずにこういう小難しい雑誌も読んでみると意外と楽しいものです。

致知は1冊千円ですが、ヤフオクとかにも出品されているそうなので、ご興味のある方は1度読んでみて下さい。


ん?

うちはバイトにも致知配ってるけど、まさかヤフオクに出品してないよな?

ちょっと心配になる今日この頃です。